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お知らせ

町民C3巻、10月末ごろに発売が決定しました。
これもいつも応援してくださる皆様のおかげです。ありがとうございます!

10月に、紀伊国屋書店様のフォレストにて、レジーナブックスフェアが開催されます。
町民Cの1巻のサイン本がある予定です。
友達にさせられたサイン(笑)の経験が、思わぬところに役に立ちました(笑)
サインなど想定したことのない名前だったので、下記のようになっております。
本によって頭に載せてるものが違ったり、顔の位置が違ったりしていますが、細かいところは気にせず御笑覧ください!
↓ こんなかんじ。作者の下手なりに頑張った何かが見れます。




それにしても、昨日の深夜の私はなにを考えていたのか……。あたまが茹っていた記念で、下のは残しておきます(笑)

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お知らせ : Comment (0)

全く関係のない小話

ツイッターのお題で「ねーつくえ、甘えたがりの写真家と迷子の女性が幸せをもぎ取る話書いてー」というのをひいて、ちょこっと書いたわけのわからない小話です。おつまみ代わりによろしければ。



 カンナがその人を見つけたのは、本当に偶然だった。ファインダー越しに笑う顔。空気までほころぶような優しい表情に、カンナの時間も止まったのだった。

 カンナは自称写真家、とも言えなくもない。カンナはいずれ写真で食っていきたかったが、今のところは全くの無名であった。つまり金がない。日銭を稼ぐため、バイトの掛け持ちをしているものの、どうにも時間と大事な何かを売りとばしているような気持ちになって仕方がない。
 賞を獲るために写真を撮るのか、それとも生きるために写真を撮るのか、不意に無力感に包まれ、何もかもが面倒にある。客観的に見たときにカンナはいわゆるフリーターであった。しかも、夢を見ているという始末に負えない類の。親と言い争いをするのが嫌で、ここ数年は実家に帰っていない。最後に話したのは兄だった。子供が生まれたという報告。それが最後だったはずだ。
 どうにもならない現状を、一番自分が分かっていた。しかし、ずっとしがみついてきた夢を、容易に捨てきれるものではない。
 なんとなく身の回りに常にカメラを持ち歩いている。
 部屋でコンテストに応募する作品を選んでいたが、煮詰まってしまい、飛び出してきた。目的地もなく、ついでに金もない。車もないカンナは、自分の足で歩くしかない。自分から疲れてどうするのかと思うのだが、この焦燥感が消えるなら体力が消えるぐらいはお安い御用だ。
 今日もトイカメラを引っ提げて、近所の河原に降りていく。高彩度で撮れるこのカメラは、画像になんともいえない味わいを添えてくれる。どのような構図がいいか、どのようなアングルが美しいか、いつの時間帯であれば、どれだけ露出をすればいいのか。それらは技法書で散々学んでいた。構図の絶妙さをほめられたことがある。しかし、カンナの写真が賞を獲ることはなった。皆が口をそろえるのは、「魂が入っていない」などという漠然とした言葉だ。技法や理屈は分かる。だが、魂など、どうやって入れればいいのか分からない。
河原で平らない石を拾い、水面へ投げつける。2バウンドして、石は水中へ消えた。結局カンナはあの石のようなものだ。埋没して、外から到底見ることもできない。打っつくした気持ちを抱えたまま、トイカメラのファインダーをのぞく。子供だましの四角い枠はカンナの世界を枠の中に強引におしこめた。
 周囲を一望し、カンナはその人影に気が付いた。
「あれ……何してんだ、あの人」
 20代の女性だ。草むらに座り込み、なぜかニコニコ笑っている。何が楽しいのか分からないが、彼女は不意に笑み崩れた。
 その笑顔は、カンナの中の何かを突いた。
 反射的に、シャッターを切ってしまう。
 機械的なその音は思った以上に河原に響き渡り、シャッターの存在感を示してしまった。どっと汗が噴き出てくる。無断で女性の姿を取ってしまったのだ、訴えられても仕方がない行為である。
 女性は振り返り、カンナに気付いた。嫌な汗が背筋を滑り落ちる。
 しかし彼女は、予想外の反応を見せた。
「こんにちはぁ」
 語尾が伸びた、ぼんやりとした声で挨拶をしてきたのである。カンナは反射的に、
「あ、どうも」
と軽く返した。先程のカンナの行為に彼女は気づいているのか、心臓が早鐘を打つ。
「あの~すみません」
 女性が眉根を下げてカンナを見上げる。草むらに座ったままの彼女からすれば、カンナは見上げる位置にいた。やや薄い色の光彩は透き通った茶色で、まっすぐにカンナを映している。
「ここどこですかあ」
「は?」
 主語もすっ飛ばした会話に、カンナは思いっきり不審そうな声を上げてしまった。
「気が付いたらあ、ここにいたんですう。私の家はあ、どっちでしょうねえ」
 よくよく見れば、彼女の服装はコスプレのようなものだった。やたらキラキラテカテカしているのは、何の材質だろうか。遠目には普通にワンピースを着ているように見えたのだが、ずいぶん派手な格好だった。頭髪はこげ茶である。頭髪と顔立ちは、日本の風景に混ざっていてもおかしくないものだった。つまり、ただのコスプレをした女性……なのだろうか。この近辺でそのようなイベントが開催されるということは聞いた覚えがない。
「そういわれても、あなたのことを何も知りませんし」
 常識的にそうだろう。女性も納得したようで、しきりになるほど、そうかあと頷いている。
「ですよねえ、すみません~」
 しょんぼりした女性に、カンナの罪悪感がわく。こちらも後ろ暗いところがある、わずかなりとも力になれるものならなったほうがいいのだろう。
「警察にでも行きますか?」
「いいえ、だいじょうぶですう、もう少ししたら、お迎えがくるので、ここからうごいちゃだめなんですよお」
 なら、心配はなさそうだ。そういえば、彼女はいったい何を見ていたのだろうか。
「花?」
 彼女の足元にあったのは、変哲もない黄色い花だった。三つ葉の、紫っぽいやつに咲く花だ。名前は全く知らないが、小さいころ草抜きで面倒だった覚えがある植物だった。
「お花さんが咲いているんですう」
自身の頭にも咲いてそうな口調で彼女が話す。
「いいですよねえ、春って」
 そういえば、季節のことなど最近は気に留めたことがなかった。不意に顔をあげれば、ぬるい風が頬を撫でる。暖められた土のにおいが鼻孔をくすぐった。
 のんびりと笑う女性の顔を眺めて、ふと、初めてカメラで撮ったものを思い出した。確かあれは家族の顔だった。子供だったカンナは、父親のカメラを借りて、そこらじゅうのものを撮りまくったのだった。ピンボケ、何を映したか分からない、変な小物も写して、現像代の無駄だと父親に怒られた。唯一まともに取れていたのは家族の顔で、自分でもいいものが取れたと満足出来た覚えがある。そして、それを父母に褒められたことも。
 撮りたいから撮る。昔の気持ちが湧き出してくる、そんな気がした。
「あの、」
 カンナの声に、女性は振り返った。
「さっき一枚、間違えて撮っちゃったんです。すみません」
 はあ、と首をかしげる女性の顔に嫌悪感がないことに、安堵する。そして、さすがにこれは図々しすぎるな、と考えながら頼み込んだ。
「もし、よろしければなんですが、一枚撮らせていただいていいですか?」
 女性はしばらく首をかしげていたが、
「いいですよお」
と微笑んだ。
 じゃあ一枚、とシャッターを切る。ファインダーはあてにならないが、くすぐったそうに笑う彼女がおさめられているはずだった。
不意に、
「あっ」
と彼女が大きな声を発し、カンナの背後を目を丸くして見た。
 なんだ、と反射的に振り返ったが、誰もいない。なんだったんだと視線を戻すと、彼女はもういなかった。
 代わりに、白く大きな羽が一枚残されているだけだった。


 後日、トイカメラのフィルムを現像する。鮮やかな色彩に変換された風景と、微笑む女性。会心の出来であったが……。
「これは外に出せないな」
 彼女の背中には大きな白い翼が生えていた。
 会心の出来の写真はどこにも出せないが、忘れていたものを思い出せたことだけが、ささやかな収穫だった。思い出の中の何かを、再度手にできた春の日の出来事である。




主人公はお好みで男でも、女でもどうぞ。

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小説 : Comment (0)

アンケートでいただいたコメントのお返し2

021~027までのお返事です!
皆様、ありがとうございました。



021 黎凜様

ありがとうございます!
PCで探していただけるとは!
ペンネームがありきたりな単語で申し訳ありません。検索、引っ掛かりにくいですよね。
これからもがんばります!


022 緋由様

どれでも選んでも大丈夫です!
ほら……日付が変わると! もう一度! 投票できる!!
投票ボタンが「押して」と誘っております! 思う存分ぽちっとどうぞ!


023 鳴様

両方見てくださってありがとうございます!
どちらも楽しんでいただければ嬉しいです。意外と本編でほのぼのは少ないのかもしれないと、最近思い出しました。なんだかいつも3人でボケボケしているイメージだったので。あらためてほのぼのもよいですね!


024

白の二人ですね! 両者とも元々まっすぐだった性格が、いろいろありすぎて奇怪な角度にねじれているので、どうなることか(笑)いったんリセットして、素に戻ったら、意外と普通に出会うかもしれませんね。
新規項目ありがとうございました!


025

ありがとうございます! ほのぼの、好評なようで何よりです。
涼しくなってきましたので、体調管理には気を付けたいものです!


026 読み手その八十一様

ありがとうございます!
温かい物語、とのお言葉、うれしいです! キツイ場面や辛いこともありますが、それらが昇華されるような物語を目指していました。読んでくださった皆様に、最後に少しでもカタルシスや残るものがありますように!
あと少しですが、お付き合いいただければ嬉しいです。


027

実は管理者権限で、書きかえれるのですよ! ということで、せっかくですので修正いたしました。ありがとうございます!
こちらのコメントを拝見して、最悪の組み合わせがどれか考えていました。
意外と赤の勇者と神官(青)が鬼門かもしれません。ギスギスしたパーティになると思います!

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拍手お返事 : Comment (0)

アンケートでいただいたコメントのお返しです

お名前がない方は、レス番号で書かせていただいています!
レス番号20番までの方はこちら!


003

天然な主人公を気に入っていただいて、ありがとうございます!
ぼけている主人公のほうが書きやすかったりします(笑)


004 青木様

だいたいどの人もツッコミが入る運命でありますね。
あの三人組は、実は当初は主人公ツッコミ、勇者ぼけ、神官ぼけ殺しだったのですが、今や……(涙)
ぼけが殺されていたら、心の中でツッコミをしてやってください!


005 RIRA様

いつもありがとうございます。
季節外れのインフルエンザ……胸が痛い響きです。
かくいう2年前、春先にインフルエンザを発症した記憶がありますので何とも言えません! 予防接種していても、体力が落ちていたらどうにもならないのを知りました(笑)

今週が山場ですので、頑張ってみます!


006 はりうさぎ様

たしか、番外編で勇者が下手な絵をさらした話で出てきましたね、お馬さんシリーズ。
あちらも文の書き方が変わったので書き直したくてたまりません!
お馬さんに一票ありがとうございます!


007

ボンキュッボン!
星原樹あたりが聞いたら「壮大な夢だね」とコメントをしそうです(笑)
勇者はひとしきり頭から足先まで眺めて「?」となりそうです。
何かが違うのに気付かない(笑)


008

ボンキュッボンの選択肢を入れた方、その発想力をお借りしたいぐらいです!
どうなるのか……とりあえず、主人公、興奮しそうですね!


009 龍鬼様

本を見てくださったのですね! ありがとうございます。
次回も楽しんでいただけるものがお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いします!


010 こなき様

故郷の村、偶然の巡り会わせでああなっちゃったんですね。
1巻でちらっと出てきた廃墟のもとの町がツアナアゲートと言います。(WEBで書いてたけど削除部分でした)
その領主一族は、町が滅んで散り散りになりました。魔法使いだったので、町が魔物に襲われた原因ともされたため、追われるようにして逃げていきました。
そのうちの一組の男女が田舎の寒村に落ち延びました。
それが神官の曽祖父ぐらいに当たります。なので神官の家には星術関係の書籍が転がっていました。祖父は親から神殿よりの正式な星術を継承していましたので、ある意味英才教育になったようです。そのため、彼の姓はかつての町の響きを一部継承し、「アゲート」になっています。
勇者のほうは、父が残念ハーレム男(能力は高いけど、女性関係が残念すぎる)で、もともとの素養はありました。あとは星の巡り会わせで、あんな能力が付いちゃって大変なことになりました。普通に能力がなく育っていれば、田舎の好青年になったかもしれませんね。

という、あんまり役に立たなかった設定があるのでした!
ながながと失礼しました!


011 ゆきじ様

いろいろ書きたい話もありますので、おすきな題目をどんどん増やしてください!
どうぞどうぞ!


012 よこしま様

いろいろ皆様が追加してくださった選択肢なので、その響きから勝手に妄想すると思います!>どうするどうなるの項目など

姫様の結婚話、一応相手は作中にちらっと出ていたりします。
1巻にあったドライ姫様視点がなくなっちゃったので、混乱している読者様がいらっしゃると思います。いずれ、完結して全部下げる日が来ましたら、逆に削ったものを再アップしていきたいと考えています!


013 ひな様

去年の夏からお付き合い、ありがとうございます!
まさか1年後にこうなるとは思いませんでした(笑)
毎日書きながら今日の展開をどうするかと考えていたわくわくをまた味わいたいものです。
3人とも応援してくださり、ありがとうございました!
書きたいものはいろいろありますので、体力が続きましたらまたお付き合いください。


014

どのキャラも好き!
素敵なお言葉ありがとうございます! 可愛がってやってください!


015 遊希様

意外な伸びをみせています、ぼけwww
なんとなく追加した項目でした!


016 桜風様

書いている作者がのたうちまわるかもしれません!(笑)
なんというか、かゆすぎて!!>にまにま


017 こぢろう様

何かとむず痒い事態になりそうです!>ラブいちゃ
完結後のお話は多分のんびりした話です。
多分! いつかお見せできればいいです!


018

ありがとうございます!
ちょっとお待たせしていますが、必ず掲載しますので少々お待ちください!


019 サユ様

完結と新刊がデッドレースです(笑)
とりあえず3巻の作業を終わらせなければどうにもならない事態に……。
どちらもお見せできますように!


020 take様

3巻では王子様がとうとうイラストに登場しますよ!
と言っても、まだどんなお姿か私も見ていません。楽しみです!
目つきの悪さがどうなるのか!

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勇者が茶を噴く話が書きたかった

のに、この有様です! 書いている場合じゃないぞ……

活動報告などで告知させていただきましたが、3巻該当部分を9/27夜に下げさせていただくこととなりました。

急な告知となり、大変申し訳ございません。

いつもご愛顧いただいている皆様にご迷惑をおかけします。
もし、読み返してくださるなら、最終章初めのあたりが削除対象となりますので、今のうちにどうぞ!


アンケートがこのままだとしたら、勇者が茶を噴く話になりそうです。かわいそうに……(目元を抑えるふりをする)

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