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ちょっと書いてみた さらに次の朝の話

ちょっと書いてみたシリーズ3弾です。恋愛要素有り かつ 前の話を見ていないと意味不明です。
なんだろうな? という方は、更に下の記事をご覧ください!

お暇な方は、例によって下にある「つづきはこちら」よりどうぞ。

前回のよりは、心安らかに書くことができました(当社比)
ただし、デリカシーは無くなった。デリカシーどこいった。

以下は質問等でいただいたことのお返事と、作者の独り言になっております。

2年後ばかりでなく、1年半後(大けが)の話は考え中です。
話はできていますが、シリアスで少し長い話かもしれません。(例:町民C本編は、2か月ぐらいで終わると勘違いしていた。無理ですね)

今までは世界の話でしたが、人の話かつ恋愛要素が入りますので、なろう様に連載するか、ブログに乗せるか、サイトをやっとこさ作るか検討中です。なろう様で連載にしても、カラーが違うため、新しい連載にする予定です。
予定は未定ですが!

 
 今日も元気に起床です!

 目覚めがいいのが、私の少ない取り柄ですからっ。部屋の中は、ぼんやりとした光に包まれています。今日は曇りかな。それほど明るくないし。
 隣にいたはずの人は、もういませんでした。これも大体いつも通りです。ぐるりと部屋の中を見回すと、出かけたのか気配もありません。神子時代からずいぶん一緒に旅してきたけれど、まだ寝顔見たことがあるの、5回ぐらいですよ! まさかの片手回数です! びっくりだよ! しかも最近までなかったですよ!
まあ、星原樹の補助がなくても規格外レベルのままの星別者なので、いろいろ突き抜けちゃっているせいもあるかも。
 睡眠は大事ですよねっ。前、そう主張してベッドに引きずり込んだら、意外と言いたいことやイライラが溜っていたのか、説教と逆襲をされました。もうしません。私が悪かったです。
起きようかな、どうしようかな、とベッドでごろごろします。昨日できなかった荷物整理とかいろいろあるし、起きたほうがいいとは思うんですが。
 なんとなく、独りの部屋が寂しく思えて、掛布団にくるまりながらぼんやりします。
 はっ、なんかセンチメンタルな気分になってますね! 朝からどうした私! 
 というか、太陽が出ていないのが余計に落ち込みがちになります。朝なのに、部屋が明るくならないんだもん。ランプつけなきゃいけないかなーとか、そしたら油もったいないかなとか。これからのことを考えたら、節約しなきゃなーとか。
 最近、神子時代のお給料を切り崩しながら生活しています。しかも簡単な仕事しかしていないので、社会復帰が危ぶまれています! 前歴神子で現職世界樹かつ主婦だよ! 最後のぐらいしか言えないよ! やってる仕事は家事雑務と、旅の道すがら請け負った軽作業ぐらいです。このくすぶる勤労意欲をぶつけるためには、やっぱりどっかに落ち着くべきなんでしょうねっ。

漠然とした将来のことを考えながら唸っていると、部屋のドアが静かに開きました。

 こんもりと掛布団にくるまる私と、ばっちり目が合います。
「おはよう」
「おはようございますっ」
 髪が濡れてるということは、頭と顔を洗ってきたのかな? 手にしていた手布を椅子に軽くかけて、掛布団にくるまる私を怪訝そうに見ます。見ないでください! 減ります! 
「……調子が悪いか?」
「いえっ全く持って元気です! どうぞお気にならさずっ」
 最近は、私も体力がついていますからっ。毎日歩いてたら頑丈になるしね。
 勢い込んでいった私の言葉は、お気に召さなかったようです。
「敬語」
「あ」
 前からの癖だし慌てると敬語の言葉づかいに戻っちゃうんですよね。指摘されてもなかなか戻せませんよ! そそっかしいのを直せないのと同じようにっ。
「ところで、旦那様は農業なんてどうですか。私、植物を育てるの得意だと思うんです」
 さっきまで考えていた脳内将来設計図をダダ漏れさせてみました。見上げた人は、数秒熟考した後、
「もう少し補足を」
とだけ言いました。あれ、なんか足りなかったかな?
「ええと、このままぶらぶらしててもダメかなーって。だったら、どこかのどかなところに落ち着いて暮らすのもいいかもしれないって思ったの。で、そしたら何がいいかなと思ったら、農業なんてどうですかってわけで……」
 どこまで補足が必要か分からなかったので、自分なりに補足します!
 これでどうですかっ。じっと見上げる私に、一言だけ、
「お前がそうしたいなら、考えておく」
と返事をしました。それだけでなんとなく満足して、自分の気持ちが上向きになるのが分かります。

 やっぱり、会話って大事ですよ!

 話してみるもんだなーって思っていた瞬間。

 ばさっと掛布団をおもむろにめくられました。

 驚きのあまり硬直する私。
 驚きが過ぎると、なんにも反応できなくなるんですよ!
 あのですね! 今はめくられると非常に差し支えがあるんですがっ。その、衣服がないという点で!
 そして、肩をそのまま掴まれて、やんわりとひっくり返されます。
 冷たい手がそのまま背中をなぞる感触に、
「ひゃあ!」
 ようやく悲鳴が出ました。
 というか、手が冷たいの、また水かぶってきたんですね! 髪洗うためにちゃんとお湯貰うとかいう発想、いつになったら持ってくれるんですかあああ! 手が! 素肌に! 冷たいですっ!
 トリハダを立てながら硬直する私をよそに、目的終えたのか冷たい手が離れます。
「もう痛みはないな?」
 その言葉に、ようやく背中の打ち身を見たんだろうなと思い至りました。
 確かに痛みはないっ、ありがとうございました! だが、相変わらずの唐突な行動に心が痛い! 羞恥心を思いやってくださいっ。
 恥ずかしい!
 相手が冷静なのが余計に恥ずかしさをあおります。顔が真っ赤になっているのが分かります。
「せ、せめて、一言かけてからめくってください……」
 私は呻くように言いました。
 さりげなく距離を取ります! といっても、ベッドの上なので大した距離ではないんですが。昨日の教訓を生かしますよ! 
 会話って……会話とか、行動の前の声掛けとか、重要だと思うんですよ! 特にこの人の場合っ。
 微妙に距離を取った私を不思議そうに眺めます。
「今までも散々見ているのに?」
「あれはあれ! これはこれです! あの時はいろんなことでいっぱいいっぱいなので、あまり気にする暇がないんです!」
 真っ赤になったまま涙目で主張しました。
 なんともいえない微妙な空気が漂って、あちらが先に視線を逸らしました。勝ったような、負けたような。
「あれはあれ、これはこれ、は認める」
 なにかを認めてくれましたっ。でも何を? 突っ込んだら、触っちゃいけないものを触りそうなので、あえてスルーします。
「とりあえず、」
 私は畳まれた布を押し付けられました。反射的に抱え込んで、なんだろう、と見下ろします。持たされたものは、ちゃんと畳まれた着替えでした。いつの間に用意してくれてたんでしょうか。たまに、用意周到さが恐ろしいです。
 お礼を言おうと顔を上げた瞬間、
「服を着ろ。変な気になるから」
 突っ込まざるを得ない言葉が掛けられましたあああ! といっても、恥ずかしすぎて突っ込めない! なんですかそのオープンな宣言! どんな気になるんですかあああああ! いや、言わなくていいです! さっき 触っちゃいけなさそうなものをせっかくスルーしたのに、自白された!
 私は衣服に顔をうずめて呻くことしかできませんでした。どの言葉選んでも、ドツボにはまりそうです!
「顔だけじゃなくて、首まで赤くなるんだな」
 観察しないでください! なんですかその分析! 私がやっとひねり出した台詞はごくごく普通の文句でした。
「……着替えるから、あっち向いててください……」
 敬語は禁止だと言われたけれど、思わず懇願してしまったの、仕方ないよねっ! うわあん!
 朝から体力ががりがり失われた気がする!
 もう一度ベッドに帰りたいと思いながら、のろのろと着替えるのでした。この恥ずかしさといたたまれなさが解消する日が、いつか来るんでしょうか……。
 
 
強制終了


「ところでなんで水で髪洗うんですか?」
「頭冷やしてきた」
……またしても、突っ込んだら、負けな気がする。

 

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町民C 本編2年後の話 : Comment (0)

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